「仕事中、うちの子が今何してるか気になって仕方ない」「もう7歳になって、食欲や体重の変化が怖い」——そんな悩みを持つ猫の飼い主さんの間で、ここ数年急速に普及しているのがIoT猫首輪のCatlog(キャトログ)です。

私たちnyanstyle編集部は、猫3匹(7歳・5歳・2歳)の多頭飼い環境でCatlogを実際に導入し、約6ヶ月間の使用データをもとにこの記事を執筆しました。「すごい」と感じた点も、「ちょっと微妙」と感じた点も含め、正直にお伝えします。

総合評価
4.4
/ 5.0
データ精度
4.6
/ 5.0
アプリ使いやすさ
4.3
/ 5.0
コスパ
3.8
/ 5.0

1. Catlog(キャトログ)とは?他の見守りカメラと何が違うのか

Catlogは株式会社RABOが開発した、猫の首輪に装着する小型IoTデバイスです。AIとバイオロギング技術(生物に機器を装着して行動データを収集する手法)を組み合わせ、猫の1日の行動を24時間365日自動で記録・解析します。

見守りカメラとの決定的な違い

よく比較される「見守りカメラ(ペットカメラ)」との違いは、「映像」ではなく「行動ログ」を記録することにあります。

見守りカメラ Catlog(キャトログ)
取得できる情報 映像・音声 行動ログ(食事・水飲み・睡眠・運動・毛づくろい等)
健康異常の検知 △ 目視のみ ◎ 睡眠スコア・ストレススコアで自動アラート
データの蓄積 ✗ 基本的に保存されない ◎ 日・週・月・年単位で推移グラフ表示
動物病院への活用 ✗ 映像を見せるのみ ◎ アプリのデータ画面を獣医師と共有できる
猫の行動範囲 △ カメラの視野外は不明 ◎ 首輪型なのでどこにいても記録可能
月額費用 無料〜約500円 月額980円(猫様メンバーシップ)
💡 Catlogの本質:
Catlogは「愛猫を見る」ツールではなく、「愛猫の健康データを蓄積する」ツールです。日々の行動ログを積み重ねることで、「いつもより食事量が20%少ない」「睡眠の質が先週より下がっている」といった小さな変化の異常検知が可能になります。

2. 製品ラインナップと料金体系を正確に理解する

Catlogには2種類の製品があります。それぞれの役割を理解してから購入を検討してください。

製品 形状 計測できること 設置方法
Catlog(首輪型) 首輪に装着する小型センサー 食事・水飲み・睡眠・運動・毛づくろい・ゴロゴロ・体温・呼吸数・ストレス 専用首輪またはお手持ちの首輪に取り付け
Catlog Board(トイレ型) トイレの下に置くボード 体重・排泄回数・排泄量・トイレ滞在時間 既存トイレの下に置くだけ

料金体系(2025年最新)

項目 金額 備考
Catlog本体 公式サイトで確認 新規加入時30%OFFキャンペーン実施中のことが多い
Catlog Board本体 公式サイトで確認 首輪型との併用で健康管理が完結
猫様メンバーシップ(月額) 980円 / 猫1匹 AI解析・データ保存・アラート機能が使用可能に。2025年1月以降の新規加入価格
猫2匹の場合 1,960円 / 月 1匹ずつ個別管理
⚠️ 月額料金を先に計算してから検討を:
本体購入費のほかに月額980円/猫1匹が永続的にかかります。猫2匹なら年間23,520円。購入前に「何年続けるか」を想定したうえで費用対効果を計算することをおすすめします。

3. 全機能を使ってわかった:睡眠・ストレス・呼吸・迷子モードの実力

📊 機能① 行動ログの自動記録(食事・水飲み・睡眠・運動・毛づくろい)

首輪センサーの加速度データをAIが解析し、「今何をしているか」をほぼリアルタイムで分類・記録します。アプリを開くと「猫日誌」として時系列で表示され、「朝6時に食事→8時まで睡眠→10時に毛づくろい」といった1日のタイムラインが一目で把握できます。

精度の感想:食事と水飲みの区別、睡眠と横になっているだけの区別など、最初は「本当に当たってるの?」と思いましたが、実際に観察しながら確認するとほぼ正確。食事回数のカウントは95%以上の精度と感じました。

😴 機能② 睡眠スコア・睡眠分析

単に「何時間寝たか」だけでなく、睡眠の質・規則性・深さを「睡眠スコア」として数値化します。その猫の「普段のパターン」をベースラインとして学習し、異常があればプッシュ通知が届きます。

実際の体験:5歳の猫が3日連続で睡眠スコアが低下し、翌日に「食欲がやや低下」→受診したところ軽度の胃腸炎が発見されました。自覚症状がないうちからの変化を検知できたのは印象的でした。

😰 機能③ ストレススコア

毛づくろいの頻度・パターン・夜間の活動量などから、その猫の「普段の状態」と比較してストレスの兆候を数値化します。引越し後・来客後・新入り猫を迎えた後などに数値が変化するため、猫のメンタル状態の可視化ツールとして機能します。

注意点:あくまで「ベースラインからの相対的な変化」です。絶対値としてのストレス量ではないため、「スコアが50だから危険」ではなく、「普段の70から50に下がった」という変化を見るものです。

🌡️ 機能④ 安静時体温・呼吸数の可視化

首輪センサーが猫の体表温度と呼吸数(胸の動き)を計測し、安静時の値を継続記録します。発熱や呼吸異常の早期サイン検知に役立ちます。特に心臓病・呼吸器疾患を抱えるシニア猫の飼い主から評価が高い機能です。

🗺️ 機能⑤ 迷子モード(位置探索)

猫が脱走・迷子になったとき、首輪のBluetoothを使って近くにいる他のCatlogユーザーのスマホ経由で位置情報を特定するクラウドソーシング型の探索機能です。都市部ではユーザー数が多いため有効に機能しますが、田舎や山間部では検知精度が下がります。

4. Catlog Boardで体重・排泄を自動管理する

Catlog Board(トイレ下に置くボード型)は、首輪型のCatlogと合わせて使うことで健康管理の解像度が一気に上がります。

Catlog Boardができること

  • 毎日の体重を自動記録:トイレを使うたびに体重を計測。グラフで推移を確認でき、急な体重変動(腎臓病・甲状腺疾患のサイン)を早期察知
  • 排泄回数・量の記録:1回あたりのおしっこ量・うんちの有無・頻度を記録。膀胱炎・便秘・腸炎の初期サインを検知
  • トイレ滞在時間の記録:長時間トイレにこもっている場合、尿路閉塞などのサインとしてアラートを送信
  • 多頭飼い対応:体重差から個体を識別し、それぞれのデータを個別管理(2〜3匹であれば概ね正確に識別)
Catlog Boardを導入して最初の1ヶ月で気づいたのは、7歳の猫のおしっこ回数が増えていること(1日4〜5回→8回)でした。自分では気づいていなかったのですが、グラフを見て受診したところ、初期の腎臓病(CKD ステージ1)が発見されました。早期発見で食事管理だけで維持できており、今のところ進行は止まっています。Catlog Boardなしでは気づけなかったと思います。

5. 病院で「データ持参」ができると診察が変わる

Catlogの見落とされがちな大きなメリットが、獣医師との情報共有です。

これまで「最近元気がなくて……」「食欲が落ちた気がして……」という曖昧な言葉でしか伝えられなかった症状を、Catlogのデータ画面を見せることで

  • 「食事量が3週間前から15%低下している(グラフで視覚化)」
  • 「睡眠スコアが2週間前から継続して低下している」
  • 「おしっこの回数が先月比で1.8倍に増えている」

というデータで伝えられるようになります。

数値・グラフでの情報共有は、獣医師にとっても「どの検査を優先すべきか」の判断材料になります。特に行きつけの病院を作っておくと、ログデータを電子カルテ代わりに活用してくれる獣医師も増えています。

6. 導入前に確認すべき5つのこと(デメリット含む)

正直に書きます。Catlogは優れた製品ですが、すべての猫・飼い主に向いているわけではありません。導入前に以下を確認してください。

確認点① 猫が首輪に慣れているか

Catlogは首輪に装着するタイプのため、首輪を嫌がる猫には使えません。特に室内猫は首輪に慣れていない個体が多く、装着を嫌がって外してしまったり、ストレスを示すケースがあります。首輪未経験の猫には、まず軽量の首輪から慣らしていく期間が必要です(目安:1〜2週間)。

確認点② 月額料金を長期で計算したか

月額980円 × 猫1匹 × 12ヶ月 = 年間11,760円。猫の平均寿命は15〜16年なので、生涯で17〜18万円の月額コストになります。「高いな」と感じる方は、まず1〜2年間試して費用対効果を判断するのがおすすめです。

確認点③ Wi-Fi環境が整っているか

Catlogのデータ送信にはWi-Fiが必要です。自宅のWi-Fiが不安定な場合、データの欠損や遅延が発生します。特にマンションの角部屋や戸建ての2階など、Wi-Fi電波が弱い場所では中継器の設置が必要になる場合があります。

確認点④ 健康な若猫か、シニア猫か

Catlogが最も費用対効果を発揮するのは7歳以上のシニア猫です。若くて健康な猫であれば、データの異常がほぼ出ないため「月980円払い続けているが何も検知されない」という状態になりがちです。健康な若猫なら、まずは年1〜2回の定期健診で十分かもしれません。

確認点⑤ データはあくまで「参考」であることを理解しているか

Catlogは医療機器ではありません。スコアが下がっていても病気とは限らないし、スコアが正常でも病気の可能性はゼロではありません。「異変を感じたら受診する判断材料」として使うものであり、定期的な動物病院での健診の代替にはならないことを理解したうえで導入してください。

7. こんな猫・飼い主に特に向いている

✅ Catlogが特に向いているケース

  • シニア猫(7歳以上)を飼っている
  • 腎臓病・心臓病・甲状腺疾患などの既往歴がある
  • 一人暮らしで長時間留守番させることが多い
  • 多頭飼いで個別の食事量・排泄量を把握したい
  • 食欲の変化・体重の変化を早期に察知したい
  • 動物病院にデータを持参して精密な診察を受けたい

✗ Catlogがあまり向いていないケース

  • 首輪を強く嫌がる猫(装着ストレスが上回る可能性)
  • 1〜3歳の健康な若猫(異常が出にくくコスパが低い)
  • 月額課金に抵抗がある・長期継続が難しい経済状況
  • スマートフォン・アプリの操作が苦手な方(設定がやや複雑)

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8. よくある質問(FAQ)

Q. 首輪のサイズは猫に合わせられますか?
A. Catlog専用首輪にはサイズ展開があり、多くの成猫に対応しています。お手持ちの首輪(幅8〜11mm程度)にも取り付け可能なアタッチメントが付属しています。子猫や超小型の成猫は対応外の場合があるため、公式サイトで適応体重・首周りを事前に確認してください。
Q. 充電はどれくらいの頻度が必要ですか?
A. バッテリーの持続時間は約5〜7日間(使用状況による)です。専用の充電ケーブルで充電します。充電中はデータが取れないため、充電スケジュールを決めておくとデータの欠損が減ります。充電時間は約2時間です。
Q. 多頭飼いで猫ごとの行動を個別に管理できますか?
A. はい、猫ごとにデバイスを用意すれば個別に管理できます。アプリ内でそれぞれのプロフィールを設定し、猫ごとのタブで確認します。Catlog Boardも体重差による個体識別機能を持っているため、2〜3匹程度であれば概ね正確に識別可能です。
Q. 月額料金なしでデバイスだけ使えますか?
A. 猫様メンバーシップ(月額980円)への加入が必須です。メンバーシップなしでは、AI解析・データ保存・健康アラートなどの主要機能が使用できません。デバイスだけ購入して月額なしで運用する方法はありません。
Q. 屋外に出る猫でも使えますか?
A. 屋外でも装着は可能ですが、データ送信にはWi-Fiが必要なため、屋外にいる間はデータが記録されず、帰宅後にまとめて同期されます。また、屋外では首輪が木や塀に引っかかるリスクがあるため、必ず「引っ張ると外れる」セーフティバックルつきの首輪を使用してください。
Q. Catlog Boardは既存のどんなトイレにも対応していますか?
A. 多くの一般的なシステムトイレ・普通のトイレに対応しています。ただし、電動自動洗浄トイレや特殊形状のトイレには対応していない場合があります。また、ネコバコのような深底トレイ型にも対応しています(トイレ全体の重さが計測可能な範囲であれば問題ありません)。購入前に公式サイトの「対応製品リスト」をご確認ください。

まとめ:Catlogは「猫の健康を数値で管理したい人」のための最良のツール

Catlogを6ヶ月間使ってみた結論は、「7歳以上のシニア猫を飼っている飼い主にとっては、年間コストに見合う価値がある」というものです。

実際に、私たちの7歳の猫の腎臓病初期を早期発見できたことは、Catlog Boardなしでは難しかったと確信しています。早期発見によって治療コストも最小限に抑えられ、猫のQOL(生活の質)も維持されています。

一方で、健康な若猫の飼い主には、まず年1〜2回の定期健診から始めることをおすすめします。Catlogの真価は、日々のデータ蓄積の中で「変化」を検知することにあるため、長期的に付き合っていけるかどうかも重要な判断基準です。

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nyanstyle 編集部

猫3匹(7歳・5歳・2歳)の多頭飼い歴8年。木質ペレット専用猫トイレ「ネコバコ」(意匠登録第1822783号)の開発チームと同一の運営母体。猫のトイレ環境・健康管理・コスト削減について実体験をもとに情報発信しています。